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腎臓ってどんな働きをしてるか知っていますか?
さてクレアチニン値が高いことでわかる腎機能の低下とそれに伴う疾患についてあれこれ説明してきましたが、腎臓というのはそもそもわたしたちの体の中でどのような働きをしてくれているのでしょうか。
左右に2つあるということくらいはみなさんご存じでしょうが、一度機能が低下してしまったらなかなかもとに戻すことは難しいと言われる腎臓について、その機能が低下したらどうしてこんなに困るのか、腎臓はどんな役割を果たしてくれているのかについて見てみましょう。
腎臓は体の「正常」を保つ大切な臓器
腎臓にある糸球体は、血液をろ過して体に必要なものと不必要なものに分け、血中の老廃物や塩分など不必要なものを尿として体外に追い出してくれます。そして必要なものは再吸収され、血液にのって再び体内を巡ることになるのです。
腎機能が低下してこの働きが行われなくなると、体内に老廃物や塩分が溜まっていくだけでなく、そのゴミが毒素となって血液に混ざったまま全身に運ばれることになり、体全体に悪影響が及んでしまいます。これがひどくなると尿毒症と呼ばれる危険な状態に陥ります。体内の臓器はすべて人間の活動に大切な役割を果たしていますが、腎臓が悪くなると命の危険が迫るという大きな原因の1つに、腎臓が持つこのろ過機能があるのです。
腎臓は塩分と水分の排出量をコントロールしてくれる機関でもあります。血圧が高いときは塩分と水分の排出量を増加させることで血圧を下げ、血圧が低いときには、これらの排出量を減少させて血圧を上げてくれるのです。さらに腎臓は血圧を維持するホルモンを分泌して、正常な状態を維持する力を与えてくれます。
そのため、腎機能が低下するとわたしたちはたちまち血圧を正常に維持することができなくなってしまうのです。一般的には腎機能の低下によって塩分をうまく排出できなくなり、高血圧になることが多いようですが、高血圧が続くと腎臓に負担がかかり、ますます腎臓の働きを悪化させてしまうことになります。
血液は骨の中心部にある骨髄で作られます。骨髄には造血幹細胞という細胞があり、これが赤血球・白血球・血小板などを作っているのです。そしてこれらはそれぞれ一定期間経つと破壊される仕組みになっていて、例えば赤血球は約120日経つと脾臓で破壊されます。破壊された赤血球はまた新しい赤血球を補給することで全体量が一定に保たれているのです。
そこで、新しい赤血球を作るよう指令を出すのが腎臓です。腎臓から出るエリスロポエチンというホルモンの刺激を受けることで、骨髄でまた新しい赤血球が作られます。腎機能が低下するとこの指令が出されなくなるため、血中の成分が一定に保たれなくなり、貧血などを引き起こしてしまいます。
腎臓の糸球体でろ過された水分の99%は再吸収されて再び体内に戻りますが、このときに腎臓は体液量のバランスを調節しています。体内の水分が適量に保たれているのは腎臓のおかげなのです。腎機能の低下でむくみが起こりやすくなるのはこのためで、血管内の水分量が増え過ぎることによって起こります。
また、体内の細胞の主成分は水分・タンパク質・ミネラルなどですが、このミネラルにはプラスイオンとマイナスイオンがあり、バランスが崩れると細胞が正常に機能しなくなってしまいます。腎臓は、ナトリウムやカリウムの排出や再吸収の量を調節することで、このプラスとマイナスのイオンバランスの調節も行っています。
人間の体の土台となっている骨は、つねに新しい骨に生まれ変わるために新陳代謝をくり返しています。日常的に骨吸収と骨形成がバランス良く行われることによって、わたしたちは元気に体を動かすことが出来ているのです。
具体的には古くなった骨のカルシウムやコラーゲンを分解して吸収する破骨細胞の働きによって古い骨が壊されるのが骨吸収、逆に骨の表面にコラーゲンを作り、そこにカルシウムを付着させる骨芽細胞の働きによって新しい骨が作られるのが骨形成です。そこでカルシウムを付着・吸収させるために必要な活性型ビタミンDを作っているのが腎臓です。そのため、腎機能が低下するとカルシウムが吸収されにくくなって骨が弱くなってしまいます。