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慢性腎臓病の食事療法

慢性腎臓病の食事療法

慢性腎臓病は進行度によってステージがわかれています。食事療法がとても重要になる慢性腎臓病ですが、ステージによって食事制限のポイントが違うので紹介したいと思います。

ステージ1・2(腎臓に障害はあるものの機能は正常~軽度の腎機能低下)の場合

この段階は自覚症状がほとんどないのですが、食事制限のポイントを押さえれば回復の可能性がある段階です。

エネルギー(カロリー)の摂取目安量

摂取量の目安は、標準体重(kg)×25~35kcalで求められます。標準体重は(身長)m2×22です。たとえば身長170cmの人の標準体重は、1.7m×1.7m×22=約63.5kgです。ですからエネルギーの摂取目安量は63.5kg×(25〜35)kcal=約1,600〜2,220kcalとなります。

塩分摂取の目安量

1日3~6g未満です。小さじ1杯分の塩が6gなのでこれが1日の摂取目安量となります。日本人の塩分摂取量の目標値は男性8g、女性7gなので、日々塩分控えめを意識しないといけません。

タンパク質の摂取目安量

標準体重×0.6~0.8となります。たとえば標準体重63.5kgの人のタンパク質の摂取目安量は約38g〜50gです。厚生労働省で推奨されている日本人のタンパク質摂取量は男性60g、女性50gです。塩分同様控えめを意識しましょう。

ステージ3~5(中度〜高度の腎機能低下、末期腎不全)の場合

自覚症状が現れ、食事療法のみでの回復はむずかしくなりますが、透析治療にならないように進行を遅らせるのにとても重要になります。

ステージ1・2のエネルギー、塩分、タンパク質制限に加えて必要になるのがカリウム制限です。

カリウムの摂取目安量

カリウムの場合はステージによって制限の目安が変わります。ステージ3では1日2,000mg以下、ステージ4・5では1日1,500mg以下となりますが、ステージ3からは医師による治療が必要となるレベルなので薬も併用しての治療となります。服薬の種類によって摂取量も変わってきます。

タンパク質・塩分・カリウムの制限はなぜ必要?

タンパク質・塩分・カリウムの制限はなぜ必要?

このように慢性腎臓病では、日本人の標準摂取量よりもタンパク質・塩分・カリウムの制限が必要となるのですが、それはこれらの栄養素の摂りすぎが腎臓の機能にとってよくないためです。それぞれについて説明します。

まずタンパク質についてですが、タンパク質は摂取すると栄養とともに老廃物がでます。この老廃物を処理するのが腎臓です。ステージ2までは腎臓自体は正常に機能しているので問題はないのですが、ステージ3以上になると腎臓の機能が低下しているので、摂取量を制限しないと腎臓の負担が大きくなりさらに悪化してしまうのです。

次に塩分。腎臓の機能が低下していると、塩分の排泄機能も低下します。そうなると体に塩分がたまり、その結果体内の水分量が多くなります。体内の水分量が多くなると血圧が上昇したり、体のむくみを引き起こすのです。もともと高血圧がある人は特に注意が必要となります。

そしてステージ3以降、とくに4・5になると腎臓の機能は半分以上低下しているので、カリウムの制限も必要となります。カリウムは筋肉や神経伝達などに影響のある栄養素で、腎臓の機能の低下はこのカリウムの排泄機能も低下させ高カリウム血症を引き起こします。

タンパク質・塩分・カリウムの多い食品

タンパク質・塩分・カリウムの制限はなぜ必要?

タンパク質

魚や肉、卵、大豆製品、乳製品、ご飯、パン、麺類、芋類、果物、野菜など。

※ハムやベーコンなどの加工品は塩分や添加物が入っているので、加工品は避けて良質なタンパク質を適量摂取しましょう。

塩分

ハム、ソーセージなどの加工食品、はんぺん、かまぼこなどの練り製品、漬物、佃煮、干物など。

※みそ汁などの汁は飲まないか、飲んでも半量くらいで済ませましょう。カップラーメンは1食あたりの平均で6g近くあります。カップラーメン1つ食べるとその日の塩分はほとんどとれないことになるので気を付けましょう。

カリウム
果物
バナナ、夏みかん、メロン、キウイフルーツ、干し柿、アボカド、ドライフルーツなど。※バナナが最も多いです。缶詰の場合、固形部分は比較的カリウムが少ないですが、シロップにカリウムが溶け出しているので、シロップは飲まないようにしましょう。
芋類
里芋、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、山芋など。※特に里芋が多いです。
野菜
ほうれん草、小松菜、セロリなど。
肉・魚
全てに比較的多く含まれている。※とくにお刺身に注意が必要です。
大豆製品
納豆、枝豆、きな粉など。※豆腐、油揚げなどの大豆加工品は比較的少ないです。
主食
麺類。※茹でたあとに湯切りをすること
海藻類
とろろ昆布、干しひじきなど。※焼きのり、酢の物のわかめくらいなら大丈夫ですが、昆布巻きなど大量に摂取するのは控えましょう。
お菓子類
スイートポテト、ポテトチップス、チョコレートなど。
飲み物類
100%ジュース、トマトジュース、野菜ジュース、牛乳、豆乳、日本茶(玉露や抹茶)など。